セムールsemurはケチャップマニスと呼ばれる甘い醤油とニンニク、クローブなどのスパイスと一緒に煮込んだシチューのこと。アヤムayamは鶏肉なので鶏肉の煮込みのことです。
写真はシンプルに鶏肉だけですが、玉葱やインゲンなどの野菜と一緒に煮込むこともあります。
スパイスの使い方がきつくないので、筑前煮の様な甘い醤油味に慣れた日本人にはとってもなじむ。お袋の味~っていう後味です。
アヤムセムールにも地域や作り手により味つけが異なるようです。
写真のアヤムセムールは本当にシンプルに甘い醤油で煮込んだだけのような味。
チキンのスープストックと生姜、クローブを臭み消しに入れたのかなぁ?という感じで、
それこそ日本の煮物の中に入っている鶏肉と見た目も味も似ています。
これに玉葱、たっぷりのニンニクと唐辛子を入れて味つけをぐっと濃いめにしたり、
鶏肉と一緒にジャガイモやトマトをいれて煮込むことも。
肉のうまみと野菜の甘味が溶け合って、どちらも美味く仕上がるに決まってますよね~。
写真の煮込みを食べたのはマルク諸島のバンダ島。
インドネシアの地図にも点で載るかどうかという小さい島なのですが、スパイス貿易で栄え、そして、占領された歴史がある島です。日本軍も行ってました・・・。
この料理に限らず料理の味つけは全体的にシンプルで、ジャワ料理の様に甘くもなく、
スラウェシの様に唐辛子を沢山入れることもなく、ほんのちょっぴり島の特産のナツメグや
クローブが使われたり、唐辛子がアクセントとして入るかどうか。
離島なので貴重な調味料を贅沢に使う味つけがなじまなかったのかもしれません。
とゆーわけで、ジャワやバリより、ぐっと食べやすい料理が多かったです。
デルフィカ・カフェ delfica cafe
マルク諸島のバンダ島にある宿兼カフェ。
バンダ島にはレストランがほとんど無いため、観光客には貴重な存在。
観光客の琴線に触れる郷土料理をメニューに並べているため、各宿から様々な国の観光客が訪れる。
ナツメグジャムのパンケーキ、揚げ茄子のケナリソースなど、バンダ島名物をぜひどうぞ。