甜不辣(天婦羅)は日本由来で台湾に伝わった料理の一つ。魚のすり身に片栗粉や砂糖、みそなどの調味料を加えて練ったものを平たい円形に整形して揚げたもので、関東で言うところの薩摩揚げ。
また黒輪は、漢字を読む限り青魚などの白身以外の魚で作った竹輪かなにかかな?と想像してしまいますが、実はこの漢字、閩南語の発音で「オーレン」と言います。つまり、「おでん」がなまって「オレン」となり、その音に当てはまる漢字を当てた物。甜不辣は基隆。黒輪は東港が有名です。
台湾では九州と同じで天ぷらといいます。
九州ではこちらで言う薩摩揚げを天ぷらと呼びます。
天ぷら自体元々ポルトガル語が語源の日本の外来語であり、16世紀にポルトガル人が日本に油で揚げる料理を伝え、それが台湾に伝わったと言われています。
ポルトガル人は長崎の出島を拠点にしていたのもありますし、九州から伝わるのも不思議ではありませんね。
台湾で最初に「テンプラ」を売り始めたお店は基隆の屋台。
有名な廟口夜市の16号屋台で、基隆で水揚げされる白身魚に片栗粉や砂糖、味噌を加えたすり身を使います。
天ぷらは常に揚げたての作りたてを提供。
ボウルに山盛りの真っ白いすり身は氷できんきんに冷やしてあり、この低温のすり身を一気に揚げることで歯ごたえのあるおいしい薩摩揚げになるそうだ。
これにお好みでお酢や甜辣醤をかけて食べます。
基隆以外でも台南、高雄など漁港が近い港町では練り物が有名で、高雄から車で小一時間ほどの位置にある鮪で有名な東港ではカジキマグロの練り物、旗魚天婦羅や旗魚黒輪が名物の一つです。
(黒輪にはなぜか中心に荒くつぶしたゆで卵を詰める。謎。)
惜しむらくはいずれもさめたらあまりおいしくないこと。
日本の薩摩揚げは揚げたても冷めてもおいしいので、テイクアウトでつまみにするなんてこともできちゃうのだが、台湾の人がそもそもが冷たい食べ物をあまり好まないからか、冷めたものは食べられたものではなかった。
町中で「黒輪」という看板を掲げている店はおでん屋だったりします。
おでんの具であった練り物そのものを黒輪と呼ぶ場合と、音から派生したオレンを料理名として使う場合があるということです。
黒輪と呼ばれる練り物は細長い形で、甜不辣は楕円形です。
また、セブンイレブンでおでんを「関東煮」として売り出しているのもあり、日本風のおでんは「関東煮」として定着してきているそうだ。
コンビニおでんは日本では見かけない具もあったりしてなかなか選ぶのが楽しいです。
一度食べてみてください。
東港の天ぷらは低温→高温と二つの鍋で二度揚げをしてましたが、
基隆の天ぷらは氷で冷やした種を一気に高温の油で揚げてました。