インド

パコラ pakora [インド風豆粉の天ぷら]

パコラ
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パコラは別名パコダ(pakoda)、バジャ(Bhajya)とも呼ばれるインド全土で愛されるスナックの一つで、野菜(タマネギ、ジャガイモ、なす、カリフラワーetc…)や肉などにベッサン粉というチャナ豆をひいた粉を付けて油で揚げたもの。
日本の本では「インド風天ぷら」と紹介されていますが、ある時は天ぷら風、ある時はフリッター、そしてある時はコロッケと見まがうようなものが出てくる。
衣がサックサクで、ビールのつまみにぴったりなので、お酒が飲めるシチュエーションでは必ず頼みたくなる一品です。

ベジタブルパコラ インド風豆粉の天ぷらベジタブルパコラ インド風豆粉の天ぷら

インドのスナックで一番大好き♪野菜のフリッターです。

ベジタブルパコラ インド風豆粉の天ぷらベジタブルパコラ インド風豆粉の天ぷら

パコラは野菜をスライスしたものに粉を付けて揚げた日本の天ぷらと全く同じタイプの物の他に、野菜を細かく刻んで、マッシュポテトと混ぜてコロッケ風にしたものもあります。

コロッケ風のパコラは混ぜた時点で味つけがしてあるので、野菜そのままを揚げたパコラの方が野菜そのものの味が味わえます。
特に、タマネギや大きな唐辛子、カリフラワーのパコラがお勧め。唐辛子は辛みがまろやかになって適度にぴりりと来るのが◎。

オニオンパコラオニオンパコラ

また、刻んだ野菜を衣に絡めてあげたかき揚げ風の物もある。
これはベッサン粉の衣がくにくにと弾力があり、鶏肉の様な食感。
「これベジパコラじゃないの?」って店員に聞いたくらい。
衣はさくさくとしながらも中身はしっとり。
野菜なのにボリュームがあって、満足感も残ります。
つくづくインドはベジタリアン料理のレパートリーが多い国だと思った。

オニオンパコラ インド風玉葱天ぷらオニオンパコラ インド風玉葱天ぷら

右最下段のパコラは毒々しいくらいに真っ赤だけど辛くはなかった。
後にも先にもこんなに赤いパコラは食べたことはありません。
 
パコラを食べるシチュエーションは様々。
屋台ではグラム売りだったり、1個数ルピーで買うこともできます。

ゴビ・パコラ カリフラワーのフリッターゴビ・パコラ カリフラワーのフリッター

ちなみにバジャというのはベンガル語で油で揚げたもののこと。テールteleが油、バジャbhajaが炒めたり、揚げたりしたものです。
だからベンガル地域の路上で売っている揚げ物はパコラではなく、テール・バジャと呼ばれるのが一般的です。
 
コルカタの路上でよく見かけたのはベッサン粉に小口切りの唐辛子を入れて練った生地で作ったシンプルな揚げ物で、甘くないドーナツって感じ。
小腹が空いたときにちょうどいいおやつでした。

これもベジタブルパコラ。色に驚いた。これもベジタブルパコラ。色に驚いた。

スパイスが効いてビールが進むスナックが多いインドで、あまり酒をおおっぴらに飲むことが出来ないのがつらいところですが、レストランやビーチなどでビール片手に食べるとかなりうまいです。
 
ところで天麩羅はポルトガル人が日本に伝えたという説が一般的ですが、西葛西のゴッドファーザーチャンドラニさんが高野秀行著:移民の宴内で語った言葉によると、天麩羅の調理法を伝えたのはインド人だそうです。
ポルトガル船に乗船していたインド人シェフが調理法を伝えたと。

カンプールと呼ばれていたテレバジャカンプールと呼ばれていたテレバジャ

天麩羅の天は天竺のことで、プラーはヒンディ語かサンスクリット語か忘れましたがそちらの言葉から来ているとおっしゃっておりました。
 
ポルトガル語でテンプラというと薬味とか調理するとか違った意味だそう。
 
インドに行くとポルトガル人がたどった歴史が垣間見れるので説得力ありそうですが、その説を有力視する人は、パコラが天麩羅の起源だとおっしゃることもある。
でも南蛮文化が入ってきたのは九州ですよね。

カンプールと呼ばれていたテレバジャの中身カンプールと呼ばれていたテレバジャの中身

九州で天麩羅ってゆったら薩摩揚げですよ。江戸前天麩羅じゃない。
そして油を使った調理法って中国から僧侶が持ち帰ってるともいうし。
 
個人的には期待も込めて、江戸前天麩羅は日本人が考え出した説に一票!です。
天=天まで上がる。麩=小麦粉、羅=薄い衣。だそうですよ。更に万葉言葉で読むと「あぶら」ですって。
 

パコラの作り方

材料:

チャナベッサン粉 200g
ベーキングパウダー 少々
クミン 小さじ1/2
ガラムマサラ 小さじ1
青唐辛子 1本(お好みで)
水 1/2カップ

野菜 お好みで
揚げ油 適量

  1. 野菜は天ぷらの要領でスライスする(かき揚げにしたければ細切り)。
  2. ベッサン粉、スパイス類をよく混ぜ合わせた後、水を加えて衣を作る。
  3. 野菜に衣をつけ、180度に熱した油でからりと揚げる。

 ※ 粉とスパイスは、野菜の量に合わせて増やしてください。