カンビンkambingは山羊を表すインドネシア語。グライgulaiというのはココナッツミルク入りのスパイシーなスープカレーです。
茹でた山羊肉を様々なスパイスで味付けたスープで、山羊肉特有の臭みもなく、サッパリと食べられます。
グライは山羊や魚がポピュラーですが、最近は鶏や家鴨や野菜などで作ることも多いそうです。ちょっとコクのあるスープが欲しいときに是非どうぞ。
日本ではあまり食肉とならない山羊肉をアジアでは上手に食べる。
この料理はインドネシアのスパイス貿易の玄関口スマトラ島から広がったと言われています。
ご存じのようにスマトラ島の北部はあのマラッカ海峡があります。
中東、インドなどから運ばれてきたスパイスは、マラッカ海峡を通り、東南アジアに流通していきました。
スパイスをふんだんに使った郷土料理と言えばパダン料理がおなじみ。
パダンはスマトラ島にある都市です。
グライもパダン料理と同じくスマトラ島から広がっていき、
ジャワ島、マレー半島など周辺で人気となっています。
グライ、グライと書きながら、実は冒頭や右の写真はグールです。
グライとグールは似ているけども、違うのだそうです。
グールはジャワ島が起源。カレーより汁気が多くいわばスープです。
辛さは控えめで、甘みを感じるくらい。ジャワ人の好みにした感じ。
ご存じ、ジャワ料理って甘い味付けのものが多いですから。
材料は山羊の肉、内臓、骨など。スパイスは、カリやグライとほぼ同じとか。
インドネシアの「カリ」はインドをルーツにしたカレーで、
確かにグールに比べて、こってりと濃厚な味わいの物が多いかも。
日本人観光客が多く行くバリ島などではグライが時々メニューにあります。
グライgulaiは魚や山羊が定番ですが、現在は鶏や家鴨、内臓、野菜など
様々な食材を使って作るのだそうです。
結局、マラッカ海峡を通って伝わったスパイスからインドネシア風のカレー(カリ)が出来、カリがインドネシアの食材と人々の好みで変化したのがグライ。
そして、辛味が強すぎるグライをジャワ人が自分好みに変えたのがグールってところかなぁ?と推測。ホントかどうかは要調査♪(また遊びに行くわ!ってこと。)
3者共、主なスパイスはコリアンダー、フェンネル、クミン、胡椒などで
唐辛子の粉やターメリック、ココナッツミルクの量などで味わいが全く異なってきます。
グールのレシピを見ると、ココナッツミルクは使ってなかったりしますね。
ちなみにグライという名称も「ムグライ」から来ている気がしてます。
ムグライってムガール料理のことで、ざっくり言えばかつてインド界隈を支配したムガール帝国の宮廷料理のことです。
日本にあるインド料理はかつてはムガール料理とか北インドの料理を出すお店が多かったですね。
ムグライって早口にいったら「(ム)グライ」って聞こえますし。
違うかな?www