芋頭yu touは里芋、包baoは具を包んだまんじゅうのこと。細切りにした里芋と餅粉と混ぜて作った生地で具を包んだ芋餅のことで、客家民族の小吃の一つです。
具を入れず容器に入れて蒸したものは「芋粄」。餡を包むと「芋頭包」です。菜包と呼ばれる客家米食の中の変化系で、肉、干し大根、干しエビなどを炒めて作ったかなり味の濃いあん入り。他に甘いあん入りもありました。
ずっしりと腹持ちがよいおやつです。
里芋餅。しょっぱい具の入ったお餅です。
客家民族は元々中国の北方に住んでいたことから、この菜包も元々は小麦粉を使った物、いわゆる餃子でした。
ところが、戦乱などで南への移住を余儀なくされた時に、小麦粉が手に入らず、代りに米粉で作ったのが始まりです。
菜包はその形が豚を入れていた籠のようだったため、別名で「豬籠粄」と呼ばれます。
食文化の豊かになった現在では客家の餅菓子を売る専門店があり、日常的に買い求めることが可能になりましたが、
元々は旧正月に客人をもてなしたり、先祖への感謝を込めて食べられて来たようです。
現在でも多くの小吃が中国の伝統行事と直結しています。
日本にも端午の節句で粽を食べることは伝わってきましたが、いつの間にか柏餅を食べる様になり、日本独特の形に変化しました。
台湾では粽などの軽食は小吃店で日常的に食べられますがやっぱりメインは端午節。そして、この菜包は元宵節(旧暦の1月15日)や尾牙(旧暦12月16日)に食べるそう。
(客家文化の「めでたい」米食 ≫粄的種類-客家人歲時節慶的米食:中山國小)
客家米食とか、客家菜包という看板を掲げているお店は客家の餅菓子を販売しているお店です。
生ものなので保たないし、腹持ちがいいので沢山食べれないけど、見つけたら是非立ち寄ってみてください。素朴で美味しいですよ。