吉拿富jinafuは台湾原住民の伝統的なちまきの呼び名です。肉を粟などの穀類と混ぜ、月桃の葉で包んで蒸したもので、お祭りなどの特別な時に作られます。
ルカイ語ではチナブと呼ばれ、その発音から当て字が作られたのではないかと想像します。
ミンチにした肉を使っているので、肉のうまみがしっかりと粟に染みこんで、うまみを逃がしません。
観光客向けに村の食堂や民宿で食べられる他、今でも冠婚葬祭のときは豚を一頭買いして解体から初めて作ります。
(実際、霧台行った時、たまたま結婚式の準備の最中で見学しちゃいました!)
台湾の人も若い子は都会に働きに出ているので、結婚式などは年末年始や春節など、連休で帰省したときに行われることが多いです。
そういうときを狙って訪れてみるのもありですが、ルカイ族の場合、結婚式が華やかなことでも有名なので、観光客向けにわざわざイベントとして大々的に宣伝して行われることもあります。
もしそういう情報をキャッチしたら是非行ってみて!
台湾の吉拿富ってどんな料理?
この料理は台湾南部の山岳部のルカイ族の村で頂きました。
中華料理のちまきの場合、ちまきの中身のメインは米で、豚肉などはあくまでも具の中の一つという感じですが、この料理は逆転しているというか、肉のつなぎに粟などの穀類を使っているのではないかという感じです。
かといって肉がぎっしりだけど、それほど肉々しさがない。
同じような原住民族のちまき料理にアバイというものがあります。
こちらは米や粟のお餅の真ん中に肉の塊がおにぎりの具のごとく、ポンとはいった物で、これはジナフよりもっと太く大きく作る。
(でも細長く作るのは一緒です。)
現在は冠婚葬祭だけでなく、名物料理として作られるようになったので、豚肉を具にすることが一般的ですが、山で取れた獲物を調理したものですから、山羊やイノシシなど、地域や民族によって中身も違うそうですよ。
主にルカイ族やパイワン族の村で食べられるようです。
富をつかむという当て字も演技がいい感じ。是非食べてみてください。