チャオcháoがおかゆ、ビットvịtが家鴨を指すベトナム語。アヒルのおかゆです。
かつてはお粥というと病人食を思い浮かべていましたが、香港でスープが濃厚なお粥の存在を知り、お粥に対する偏見が薄れました。
中国の食文化の影響を色濃く受けているベトナムでもお粥は肉や魚介のスープで炊き、たっぷりの具材を乗せて食べます。お粥の味もさることながら、具がまたごちそうです。
うまみたっぷりの絶品粥。
写真は美味い粥を求め、ホーチミン郊外のアヒル粥屋を訪ねた時の物失礼ながら小さくて小汚い店を想像していたのですが、広々として清潔な店内。ちょうどお昼前だったのでお客はまばらです。
「何にしますか?」「ええと、チャオビット?」「飲み物は?」「じゃあサイゴンビール」
完全にベトナム語だったのですが、ゼスチャーを交えてくれたお陰でどうにか会話が成り立った。チャオビットと日本語発音でも通じた。
注文すると間もなくたれ、付け合わせの生野菜サラダが運ばれます。
そしてなたでバンッ、バンッとまな板をたたく音が店内に響くと、その直後にお目見えするのがアヒル肉。そう、さっきのは肉を骨ごとぶった切っていた音なのである。
右写真上部がそのアヒル肉。肉厚がよく油が乗ってぷりぷり。これに揚げニンニクのトッピングでコクとうまみがさらに増す。
そのままでも食べれますが、添えてくれたたれにつけて頂きました。ヌックチャム※に生姜のすり下ろしが加わった感じです。
※ヌックマム、砂糖、レモン、水、ニンニク、赤唐辛子のたれ
そして、名物のお粥は5分粥くらいのさらさら粥なのでスープ感覚。アヒルのエキスがしみ出した濃厚なスープです。
作業をしているお姉さんを見ていると、バンバンッっとぶった切った切れ端は、後でざらざらっとスープに足していました。
また店の奥ではアヒルの足を処理をしているおばちゃんがいて、一匹丸ごとエキスの一滴すら無駄にせずうまみを搾り取られるようです。
周りのベトナム人を見ていると、洗面器の様なでかいどんぶりになみなみと注がれたお粥をお代りしていたり(さすがに複数人です)、肉も私の皿の3倍くらいにてんこ盛り。
お粥を食べずに肉だけ食べているにいさんもいたので、いろいろわがままな注文ができるみたいだ。
さて、食したのはホーチミン郊外のベトナム人の憩いの町、ターンダにあるアヒル粥専門店です。
何件かアヒル粥屋が並ぶ中、最初に目についたお店に入った。
下写真一番右がタンダ=アヒル粥の図式を作った元祖の店だそう。
ところ変わって島のチャオビット
はい。お次はこれ。これもアヒル粥なんです。
フーコック島のリゾートホテルのレストランで食べたアヒル粥。タンダのお粥よりもご飯の量は多く、7分粥くらい。
特筆すべきは、だしをとった後の肉です。リゾートホテルのレストランなので、専門食堂の様に数が出ません。注文と同時に調理をするので、アヒルを茹でた出しでお粥を煮ます。
そして出し殻の肉はサラダに仕立てにおっしゃれー。
薄くスライスされたアヒル肉は鴨南蛮に入ってる鴨みたい。
こんなに凝っているのに蟹チャーハンより安かったのでびっくりした。
cháo vịt gỏi băp cải
ラックジャースタイルのお粥とキャベツサラダヌックマムソースです。
このお粥はラックザー名物らしい。
タンダへの行き方
タンダ行きはホーチミンシティから直行バスがあります。
ベンタインバスターミナルから44番バスでどうぞ。
このあたりは川からくる風が気持ちが良く、ベトナム人の週末リゾートになっており、
カフェ、レストラン、カラオケ、釣り堀といろんなアクティビティがあるところです。
アヒル屋はタンダ入口の橋を渡って100mくらい先の右手。タンダの参考地図はこちら。
(距離感はきっちり憶えてないので場所は多少ずれがあると思います。
手前から番地が増えるので探してみて。)
私が入ったお店はTHU NGAというお店。binh Quoi 通り108くらい。
元祖のお店はbinh Quoi 通りの118番地です。